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"発展途上"

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投稿日時
2016-10-08 21:25:24

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マフツ

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http://ncode.syosetu.com/n4002cm/69/ 終盤より

『それなら向こうに行く前に1つ良いものあげるにゃ~。
ヒトデナシの賢者殿の助けになりそうなものがあるから、使って欲しいにゃ~』
そう"鳴いて"黒い子猫は、結界の中で横たわる"ライヴ・ティンパニー"の方へと歩いて行った。

そして軽装の王族護衛騎士の鎧を身に付けた、彼女の比較的平らな胸元に、子猫は頭から上半身を突っ込んだ。

暫くモゾモゾとしてから身をさげ、前足までは出たが小さな黒い頭が出てこない。
それから、4本の可愛らしい四肢を突っ張る。

「んにゃ~!!」
『ヒトデナシの賢者殿!ワチシの身体を引っ張るんだにゃ~!
なんか引っ掛かってだせないにゃ~』

「"引っ掛かっる所"、あるのかい?」

賢者の至極真面目な発言に、黒猫はとりあえず"ライヴ・ティンパニー"の胸元からヒョッコリと頭を出した。
それからトコトコとネェツアークの足元に行き、革靴に爪をバリッとたてる。

『ワチシは"発展途上"にゃ~。いいから、とっとと手伝えにゃ~』

「うん、分かったから毛を逆立てるのを止めよう」

そんなこんなで、ライヴ・ティンパニーの胸元から、一冊の紐で綴じられた、"和書"が黒猫の小さな口に啣えられて取り出された。
早速手に取り、流し読む。

『アッちゃんのお祖父ちゃんが集めた東の国の魔術の蔵書から、蔵の中にあるのをワチシが勉強したいって言ったら貸してくれたにゃ~。
もしかしたら、ヒトデナシの賢者殿の役にたつかもしれないから、読んどけにゃ~』

「確かに役にたちそうだ」
ネェツアークは流し読みしていたのを、あるページで止めて、小さく頷く。

「よし、じゃあ行こうか」
胸元に和綴じの本を仕舞い、ネェツアークのコートのポケットを広げると、黒い子猫は身軽に入った。


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